Axel Honneth, 2007, Pathologien der Vernunft, Frankfurt: Suhrkamp.
購入本。
ホネットの新刊書。サブタイルに「批判理論の歴史と現在」とあるように、2つのことがこの著作のテーマ。
一つには、歴史的に様々なアプローチで多様に展開してきた「批判理論」に一定のまとまりないし統一性を見出すこと。しかし、これはもちろん、純粋に学説史的にというわけではないだろう。もう一つのテーマ、「批判理論」のアクチュアリティをどこに見るか、また現在に生かすときにどんな課題があるのか、という観点から考察されることになる。
具体的には、いわゆるフランクフルト学派の論者、アドルノ、ベンヤミン、ノイマン、ミチャーリッヒ、ヴェルマーを取り上げた個別論文と、総括的な論文、それからカントとフロイトを取り上げた論文(この2つの論文は「批判理論」のアクチュアリティの課題に関連して収録されている)、補遺からなっている。